秋の三大味覚のひとつと言われている「さんま」がもうすぐ旬を迎えますよ。毎年この時期には“さんま祭り”と称して、炭火焼のさんまが無料でふるまわれるイベントがあるなど、さんまは秋の風物詩にもなっています。炭火焼されたさんまは香ばしくておいしいですが、旬のさんまを堪能する調理法は決して焼くだけではないのです。

食卓に並ぶさんまの大半は”焼き魚“かもしれません。自宅レシピとしては塩焼きや蒲焼、あるいは少し手を加えて竜田揚げをする方もいらっしゃるのでは?どれも親しみやすい調理方法ですが、今回ぜひ自宅で試してほしいおすすめのレシピは「さんま寿司」です。

自宅でさんま寿司?と驚くなかれ。デパ地下やお寿司屋さんのイメージが強いさんま寿司ですが、家でも簡単に作ることができるのです。

さんま寿司ってなに

「さんま寿司」は塩でしめる「押し寿司」や「ぼう寿司」ですが……そのレシピに移る前に「さんま寿司」の豆知識をご紹介したいと思います。さんま寿司は普段の食卓に限らず、”おもてなし料理“としても大活躍する品格のある料理です。覚えておけばふるまう際に会話が弾み、いっそう楽しくおいしくなるかもしれません。

<さんま寿司の豆知識>

諸説ありますが「さんま寿司」は三重県の熊野灘に面した紀州域が発症の地と言われています。当初は尾頭付きのダイナミックな寿司の形態をしていたようで、見た目のめでたさからお正月やお祝い事の際に作られてきた家庭料理でした。そのおいしさが周辺に広まり、食べやすい調理法として尾頭は落とされ”押し寿司“などの形態に変化したそうです。

また、「さんま寿司」は特急列車の車内販売でも人気の駅弁となっています。三重の東紀州では名店が多く、”さんま寿司マップ“が作られるなど観光の際には欠かせない郷土料理です。お店によっては昔のように尾頭付きで提供もしているようなので、そのお店に当たったら何となくラッキーですね。

さんま寿司はこう作る

お待たせしました!それでは「さんま寿司」のレシピをご紹介します。寿司と聞いて、身構えている方は安心してくださいね。さんま寿司はちょっとしたひと手間を加えるだけて家庭でも簡単ステップで作ることができますよ。

▶材料のご紹介

  • さんま(お刺身用)
  • 塩…適量
  • つけこみタレ…酢、昆布、砂糖、塩
  • 硬めに炊いたお米
  • 寿司酢

※さんま選びのポイント

秋さんまと聞くと脂ののったさんまを選びたくなりますが、寿司にするには脂の少ない痩せたさんまが理想的です。魚屋さんがいればさんま寿司に適した脂のりのものを選んでもらいましょう。また、三枚におろされているさんまを買えば調理が楽になります。

▶作り方

  1. さんまを3枚におろします。腹骨を残さないように取ってください。
  2. さんまに塩をふり、15分ほどおいてしめます。
  3. さんまの入る大きさの平たい容器に、つけこみタレの材料を入れて混ぜ合わせます。
  4. 2を水で軽く洗い、キッチンペーパーで水気を拭きます。
  5. 3にさんまの身を下にしてつけます。落しぶたのようにラップで密着させて、冷蔵庫で1時間程寝かせます。(※時間があれば、酢からあげて一晩冷蔵庫で寝かすと本格的な味になります)
  6. 硬めに炊き上げたお米に、寿司酢を加えて混ぜます。
  7. お米を2本分に分け、それぞれラップの上で棒状の形を作ります。
  8. つけこんださんまを2枚ずつ乗せて、ラップできつく包みます。(※仕上げとして巻きすで形を整えるときれいになります)
  9. 冷蔵庫に15分ほど入れてなじませたら、適度な大きさに切り分けてでき上がりです。

お醤油をつけて食べるのもいいですが、カラシをつけて食べると本来の味に近づきますよ。好きな味と感じたら、次回作る際には8のステップでからしを酢飯との間に塗って仕込むのもおすすめです。

さんま寿司のおすすめレシピ3選

焼きさんま寿司

出典:cookpad.com

おさしみを使用するさんま寿司では、旬であっても脂の少ないさんまが推奨されていますが、こちらのレシピのように”焼きさんま“にすると、脂ののったさんまを選ぶことができるので存分に旬の旨みを堪能することができます。

ご飯に梅肉としょうがが入っており、秋のレジャーのお弁当にしたくなるようなさんま寿司です。

詳しいレシピはこちら(クックパッド)

秋の美しさを感じるさんま寿司

出典:cookpad.com

酢飯に黒米を使用しており、ボルドー色のようで華やかな印象になります。ちょこんとのせている大根おろしの黄色や大葉の緑も加わり、まるで秋のすてきなファッションコーデをみているようです。もちもちとした黒米で食べごたえも抜群に。

詳しいレシピはこちら(クックパッド)

さんまの巻き寿司

出典:cookpad.com

3枚におろしたさんまをグリルで焼き、お米は寿司酢を加えましょう。焼けたさんまを適当な長さに切って、海苔とご飯と一緒に巻き簾を使って巻いていきます。ラップに巻いてしばらく置いたら、ラップをとらずに切ります。

巻くときは、ガリや大葉を入れるとおいしいですよ。

詳しいレシピはこちら(クックパッド)

乳酸発酵させると「なれ寿司」になる

さんま寿司の盛んな熊野灘沿岸一帯の地域では、塩でしめたさんまをさらにお米で乳酸発酵させる「なれ寿司」も郷土料理として根付いています。さんま寿司をつくるような手順を踏みますが、なれ寿司の起源の方がずっと古いと考えられており、重要なたんぱく源として重宝され続けてきた日本の伝統食です。

なれ寿司は発酵年数が長ければ長いほど、乳酸の臭いが際立ってきます。中には年数が数十年のものもあるとか……。好き嫌いがかなりはっきりと出るようなので、お目にかかる際は発酵年数など臭いのレベルをお店の人に聞いてから食べる検討をした方がいいかもしれません。

なれ寿司といえば東宝茶屋

出典:tabelog.com

和歌山県の熊野灘沿岸にある「東宝茶屋」はあゆなどの川魚をはじめ、海の幸や山の幸といった幅広い食材を扱うお店です。熊野灘沿岸ということで、なれ寿司があるお店としても人気のようですが、ここには誰もが目を疑うようなメニューがあります。それは”30年ものの珍味“と称す「本なれ寿司」です。

出典:tabelog.com

本馴れ鮓(1,620円)

30年も経つと、そこにさんまの姿はありません。白い液体になっており、発酵の香りと酸味が際立つようでヨーグルトのような味という声が……。すこし勇気がいるかもしれませんが、このお店に来たからには、ぜひ食べてみたい逸品といえます。

▶店舗情報

■住所:和歌山県新宮市横町2-2-12

■TEL:0735-22-2843

■営業時間:11:30~22:00

■ランチタイム:平日11:30~14:00

■定休日:不定休

■参考URL:http://tabelog.com/wakayama/A3005/A300501/30000262/

〒647-0017 和歌山県新宮市横町2丁目2−12

自宅で気軽に郷土料理を

旬のさんまを楽しむ方法として「さんま寿司」をご紹介してきましたが、お家で作るイメージはできましたでしょうか。きゅっきゅっとラップで形作るステップはお子さまと一緒に楽しむこともできそうです。秋の味覚や郷土料理のすばらしさを伝える機会にもなるかと思います。

おめでたい席で作られてきた「さんま寿司」は縁起がいいと言われているので、ホームパーティーにもうってつけ。仕込むひと手間はあるものの、そのひと手間がおもてなしの精神として味に現れ、きっと食べる人にも伝わりますよ。おいしそうなさんまを見つけたら、この秋にぜひチャレンジしてみてくださいね。

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